LOTUS F1 FILE 17 - LOTUS 81

歴代ロータスF1マシンをご紹介していくLOTUS F1 FILE。第17回目となる今回は、攻め過ぎたタイプ80の反省から、オーソドックスなスタイルへと回帰したタイプ81をご紹介します。

LOTUS 81

革新的なタイプ80の失敗と、代打で投入した79Bの低迷はチーム・ロータスに深刻な事態を招きつつあった。それはジョン・プレイヤー・スペシャルに代わりメインスポンサーに就いたマルティニ・エ・ロッシの離脱である。代わってサブスポンサーだったエセックス石油が1980年のメインスポンサーに昇格するのだが、彼らを繋ぎとめるためにもタイプ79の正常進化版といえるような、コンサバティブなマシン作りが求められていた。
そうした背景のもと、1980年1月にパリのパラディス・ナイトクラブで行われた派手な新車発表会でお披露目されたのがタイプ81だ。
その内容は、オーソドックスなスタイルに改変したタイプ80といったもので、チタンやハニカムを組み合わせたアルミ・モノコック、前後ロッカーアームのサスペンション、リアダンパーをケース内に収納したスリムなロータス/ヒューランドFGAギアボックスなどはタイプ80からの流用。それ以外の特徴は前後ともにアウトボード式のディスクブレーキになったことくらいで、良くも悪くも平均点な出来栄えのF1マシンといえた。
ドライバーはマリオ・アンドレッティと、シャドウから移籍した期待の若手、エリオ・デ・アンジェリスのコンビ。第2戦ブラジルで早速デ・アンジェリスが2位に入り期待がもたれたが、それ以降は低迷。シーズン中にホイールベースを変更したり、モノコックを大幅に補強するなどのモディファイが試みられたほか、ドイツGPからリアサスペンション、サイドウイング、前後重量配分を見直した81Bに進化したものの、いずれも結果を残すことはできなかった。
翌81年シーズンも87/88の登場まで使用されるが、タイプ81最後のレースとなったベルギーGPでナイジェル・マンセルが3位入賞を果たした以外は目立った成績を挙げられていない。
タイプ81は3台が製作され、クラシック・チーム・ロータスで81/1、81/2の2台が管理されている。
マスターズ・シリーズでアンドリュー・ビューモントがドライブしている81/2のコクピット。モノコックサイドがせり上がってはいるものの、インパネ部分など基本的な部分は80のモノコックと変わっていない。
81/2のモノコック。剛性不足を補うためにシーズン途中にドライバーの開口部まわりを大きく補強した跡がよくわかる。ロッキングアーム式のサスペンションは79の時代から大きく変わっていない。
前衛的だったタイプ80から一転し、コンサバティブになったタイプ81。現存するマシンは80年後半のBスペックとなっている。またスライディングスカートは、現在のレギュレーションに合わせて外されている。
発表当時のタイプ81。結局マリオ・アンドレッティは6位入賞1回のみという惨憺たる成績に終わり、この年をもってチーム・ロータスを離れることとなった。
●LOTUS 81 Specification
・ 生産台数:3台
・ エンジン:フォード・コスワースDFV V8
・ 排気量/形式:2993cc V型8気筒 DOHC
・ 最高出力:490bhp

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